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【右丁】
事あるべからず。惣(そう)大 将(しやう)にまかせずとも。時(じ)
節(せつ)の目利(めきゝ)専(せん)なり。第一/武者奉行(むしやぶけう)心得には。
内々をたしなむべし。其時に至(いたつ)て。いかに
下知につけんとても。諸勢(しよせい)下 知(ぢ)をきくべ
からず。武略智謀(ぶりやくちばう)そなはり。万民(ばんみん)をよくな
つけ。人欲(にんよく)の利(り)をはなれ。仁義(じんぎ)の勇(ゆう)にもと
づき。たゝかはずして敵をなびけ。敵は
討(うつ)べし討(うつ)へからずと。古法(こほう)をもちゆる事
尤なり。惣(そう)大将より一きはこゆるほどに
おもふべし
【左丁】
《箱:第二》 同奉行 時節(じせつ)を見る事
▲敵すゝみくる時。弓(ゆみ)鉄炮(てつはう)をうたせ籏(はた)をすゝ
め。其陣(そのぢん)にいよ〳〵備(そなへ)を立かため。方々を見
合。敵の横鑓(よこやり)をつよくをさへ。味方の勢
をいさめて。敵あひ一町のうちを見て。先手(さきて)
左右(さう)の横鑓(よこやり)を三物頭(みつものがしら)に備させ。弓鉄炮を
ひらかせ。先手 横鑓(よこやり)後陣(こぢん)までの手をあはせ。
団(うちは)にてもざいにてもとりなをし。軍さす
る事尤なり。其外 中備(なかそなへ)の横鑓(よこやり)。後詰(ごづめ)の
横鑓(よこやり)。方々の人 数立(じゆだて)。敵の備によるべき也