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【右丁】
▲籏奉行(かたぶげう)一大事の役(やく)なり。敵の籏色(はたいろ)を見
分て。旗なみをよく。懸引(かけひき)の目利(めきゝ)尤也。城(しろ)
のり川越(かわこえ)のせりあひには。第一 先(さき)を心に
かけ。籏(はた)一本なりとも押(をし)立てすゝむべし。
此時 惣籏(そうせい)をそろへんとて。遅(ちゝ)々する
事あるべし。けに〳〵籏指(はたさし)すゝまずは。
奉行せみ口に籏(はた)をたゝみ。横手(よこて)にこよ
りにて結付(ゆいつけ)。竿(さほ)をもち馬にのり先がけ
して。大将の名(な)を名乗(なのり)。其次に我(わが)名字(みやうじ)を
名乗(なのる)なり。かくのごとくする時は。惣籏(そうはた)も
【左丁】
をしつゞひてすゝむべし
《箱:第十五》 同 籏(はた)奉行の事
▲敵もあひちかになり。籏(はた)つよく押(をし)たつる。
に。籏(はた)さし下郎(げらう)ゆへ。物おぢして進(すゝみ)得ず。
籏(はた)なみさはぐものなり。敵ちかき所にて
は。勢の中にたつるなり。敵きほひ来る
折(をり)ふしは。味方の籏(はた)一 足(あし)なりともすゝ
み。立かためてしこるべし。かくのごとくす
る時は敵しらむものなり。敵すゝむを見
て。籏さししりぞきたがる時には。味方(みかた)気(き)