← 前のページ
ページ 95 / 184
次のページ →
翻刻
【右丁】
て味方(みかた)の軍(いくさ)をすゝむべし。利ある事三つ
一つには。敵のかゝる時には。味方(みかた)はをくれ。敵(てき)
は気(き)にのる。しかれども味方 備(そなへ)をみださす
さはがざれは。敵(てき)もあやぶむところに。味方
すゝむにより。敵(てき)はをくれ。味方(みかた)は気(き)にのる。
二つには。敵五町をかゝりつかるゝに。味方は一
町を行につかれぬなり。三つには。敵ながく
かゝりて。備の手だてをみだし。味方(みかた)はみだ
れず。敵三千を一 軍(ぐん)としてかゝるに。味方(みかた)千
の軍(いくさ)にて勝(かつ)事は。たちどころなり
【左丁】
《箱:第九》 張出(はりいで)たる敵(てき)の事
▲出(で)はりたる敵(てき)をは。脇(わき)より専(せん)にうたすべ
し。爰(こゝ)にて敵(てき)の見るやうに。鉄炮(てつはう)一ばいもかさ
ませ。とかく敵(てき)のきほいをぬくやうに尤なり。味
方の備(そなへ)手賦(てくばり)をし。左備(ひだりぞなへ)右備左右よりも張出(はりだ)
し。残(のこ)る備(そなへ)は入替(いれかへ)〳〵軍(いくさ)をし。少(すこし)なり共 敵(てき)
いろめくを勝利(せうり)とし。敵の本陣(ほんちん)を心がけ戦事(たゝかふこと)
古法(こはう)なり。又よはき敵を討(うつ)にも。ふせぎぜい
押(をし)むけ。本陣(ほんぢん)後陣(こぢん)みださずして。二三の備(そなへ)
利にのり。もみたて〳〵追(をつ)かくべし。敵(てき)返(かへ)し