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【右丁】
鉄炮(てつはう)さしそへ押(をし)かけ引(ひく)歟。敵をなぶり敵の
備(そなへ)をうきたゝせ。もし敵 追掛(をいかけ)ふか入せば。ね
かふところの軍(いくさ)なり。とかく敵の備(そなへ)たゞしきに。
むりがゝりの軍(いくさ)は味方(みかた)まけを好(この)む同前なり。
又 籏(はた)を一 面(めん)に立(たて)ならべ。つゞく籏(はた)もすく
なく。跡勢(あとせい)横広(よこびろ)にかゝる敵(てき)は。薄(うす)くよはき
備なり。味方は杉(すぎ)のさきに備て。敵(てき)のまん中
へ突かゝり。敵を二つに押(をし)わくべし。しかる
時は。敵の手先(てさき)をくれがけに出来(いてきた)り。備(そなへ)なり
ばみだるゝを。味方の横鑓(よこやり)かけいたさば。敵 敗(はい)
【左丁】
軍(ぐん)は目(め)のまへなり。又 籏(はた)を立(たて)ならべ。備たて
ながにかゝる敵(てき)は。つよくあつき勢なれば。
味方にも先年(さきて)左右の備(そなへ)三 軍(ぐん)に立分(たてわけ)。敵の左
右を専(せん)にかゝりくるべき事尤なり
《箱:第十三》 しつはらひの事
▲味方(みかた)しりぞき口(ぐち)のおりふしは。諸勢(しよせい)をみ
あはせ。籏(はた)諸道具(しよだうぐ)をそろへたて。足(あし)をみ
ださず神妙(しんびやう)にしりぞくべし。しんがりは
功者(こうしや)第一の武士(ぶし)に弓(ゆみ)鉄炮(てつはう)をさしそへ。広(ひろ)
地(ち)にてはくり引に尤なり。細道(ほそみち)をのくに。