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【右丁】
敵 跡(あと)よりしたふならば。鉄炮(てつはう)五六 段(たん)にたて
ならべ。前(まへ)五 段(だん)を折(をり)しかせ。跡(あと)より打(うち)はじめ。
たゞもの前(まへ)へ其 通(とを)りにうたせて。打(うち)はらひ
たる跡(あと)。鉄炮(てつはう)玉薬(たまくすり)をこみ。なんべんも右のご
とくにうたすべし。此 透間(すきま)に諸卒(しよそつ)は皆(みな)広(ひろ)
地(ち)まで引とり。手賦(てくばり)し隠(かく)し勢(せい)横鑓(よこやり)を備(そなへ)さ
せ。さて右のしんかりもこぐち引に引とる
に。敵いよ〳〵したふならは。幸(さいはい)なり。よき地(ち)
前(まへ)へ引入(ひきいれ)。味方(みかた)の勢にうたするやう尤なり。せ
ば地にて常(つね)のやうにこゝろへては。人数(にんしゆ)かさ
【左丁】
なりはたらく事なるべからず。此ゆへに節(せつ)
所(しよ)にては小ぐち引尤なり。内々 足軽(あしがる)をえらび
おほえて。上手(しやうず)にうたせ下手(へた)に薬(くすり)ごみをさ
せん事。節所(せつしよ)細道(ほそみち)の心がけ専(せん)一なり
《箱:第十四》 節所(せつしよ)の敵(てき)と戦(たゝかふ)事
▲敵せば地にいまだある時。兼(かね)て片(かた)山 陰(かげ)しげり
などに横鑓(よこやり)を隠(かく)し。敵(てき)広地(ひろち)まで三つ一つも
くりいだし。二分(ぶん)はいまだせば地にさゝへし時。
横鑓(よこやり)に中切(なかぎり)させ。先手(さきて)中備(なかさなへ)押(をし)かけて討(うつ)べし。
かならす利(り)あるなり。皆(みな)せば地にひかへしとき。