翻刻
是|自己(ジコ)の神あり敬(ケイ)する所の気則神也今の人|是等(コレラ)の道理(タウリ)を知らずして僅(ワツカ)に水旱(スイカン)あれは則|廟(ビヤウ)に祈(イノ)る豈(ア二)廟中(ビヤウチウ)に雨露(ウロ)あらんや敬(ケイ)すれは神あつて自然(シゼン)に感応(カンヲウ)あり夫(ソレ)をしらずして敬(ケイ)せされとも祈(イノ)れは忽(タチマチ)験(シルシ)ありと心す誠(マコト)を尽(ツク)さす不敬(フケイ)にして祈をなす浅(アサ)ま舗(シキ)哉《割書:天地ノ神霊(シンレイ)ト|自己(シコ)ノ心ト一致(イツチ)》《割書:スル時ハ験(シルシ)アリ敬(ケイ)セザレハ一致(イツチ)ノ理(リ)ナシ故二|神は非礼(ヒレイ)ヲ禀(ウケ)玉ワズト云云》凡鬼神は
幽妙(ユウメウ)不惻(フシキ)成物にして只万物を主宰(シユサイ)する二気(二キ)の《割書:陰陽|ナリ》 良能(リヤウノウ)にして造化(ザウカ)の跡(アト)と云を以知べし又|酒顛童子(シユデンドウシ)か事|盗賊(トウゾク)の張本(チヤウボン)にて甚(ハナハタ)世に害(ガイ)をなせしをおそろ敷(シク)云伝り案(アン)するに白猿伝(ハクヱンテン)に書(カキ)たる陽紇(ヤウコツ)が事を取(トリ)まじへ面白きやうに草紙(サウシ)に書(カキ)なしたる物也|黒塚(クロツカ)の鬼(オ二)といふは女の事を鬼(オ二)と書(カキ)たるなり