翻刻
なし夫物の生するに色々あり胎(タイ)をもつて
生するあり卵(カイコ)に生するもあり気(キ)に生する
あり化生(クワセイ)するもあり先 胎(タイ)にて生するは男(ナン)
女雌雄交合陰陽相感(ニヨシユウケウカウインヤウアイカン)じて和順(クワジユン)して
生するは母(ハヽ)の胎(タイ)をかるゆへ也|人獣(ヒトケダモノ)の類(ルイ)是也 卵(カイコ)に
生するは龍蛇飛禽亀(リウジヤヒキンカメ)の類(タグヒ)皆 卵(カイコ)に生ず気に
生するといふは垢(アカツキ)たる衣(コロモ)に虱(シラミ)を生じ腐(クサレ)たる魚(ウヲ)
に蛆(ウジ)を生する類(タクヒ)其自然の気に生するなり
《割書:気生ノコト|前ニ詳(ツマヒラカ)也》化生(クワセイ)といふは月令(グワツレウ)に所謂(イワユル)雀(スヽメ)海中に
入て蛤(ハマクリ)となり春分に鷹化(タカケ)して鳩(ハト)と成 類(タクヒ)
《割書:菜虫(ナムシ)ノ蝶(テウ)ニ|化類ナリ》なるへし殊に深山(シンサン)に入らば
あやしき物有べき事也然れは天狗といふも
鳥の化生(クワセイ)したる物成へし又人に似(ニ)《?:たる事》
あやしからす海中に人魚(ニンキヨ)あり陸(クガ)に《?:鸚鵡(アフム)》
ありて能人(ヨクヒト)の語(ゴ)をなす天狗の人に《?:似》
たる事あやしきにもあらす又山伏《?:の》