← 前のページ
ページ 95 / 129
次のページ →
翻刻
【右丁】
白ク練糸ノ如ク見ル蝦夷地第一ノ大瀧也ト云
ヘリ此所マテハ当島ノ西浦ニテ海上モ静ナリ
是ヨリ東浦ニ廻レハ実ニ荒海ニテ波濤モ髙シ
潮汐ヲ流レモ早クシテ少シ風アレハ通船モ成
難シ此「ヒンネヘツ」ヨリ東方凡十里程ニハ「モシ
リハッケ」ト云処ニ焼山アリ此焼山ノ裙通リヲ
東南ニ向テ掻キ送リ一日ノ海路ヲヘテ「トウシ
ルヽ」ト云所ニ至レハ古碇一頭アリ是ハ寛文十
二年壬子志別鳥羽ヲ出帆シテ難風ニ遇ヒ翌年
七月ニ初テ此国ニ至ルトイヘリ則此所也天明
【左丁】
六丙午年マテ一百一十五年ヲ歴タリ此説三国
通覧ニモ載タリ三十日ノ旅行ヲ経テ西南ノ地
ニ至ルト云爰ヲ以テ島ノ広キヿヲ知ルヘシ此
辺ハ海豹(アザラシ)海鹿(トヾ)至テ多シ此トウシルヽ」ヨリ南ハ
海岸ノ岩切立タルカ如シ此所ヲ通リ過レハ「レ
ブンシリ」ト云髙山アリ此山常ニ焼テ日本ノ浅間
山豆州大島ノ如ク硫黄山ナリ頂上ヨリ流レ落
ル小川アり硫黄気ニテ水色紅黄ナリ又温泉モ
出ルナリ土人イマタ療病ニ浴スルヿヲ知ラサ
レハ此温泉ノ効能モ知レス是ヨリ南浦ハサシ