翻刻
ていと騒々しかりしが朝十八日になりて雨も風も止みたりけふは御
霊の御神事也此頃の地震故例よりも早く神輿を渡し
参りぬ作法替る事なけれど地車を出す町ハ壱所もなし
十八日日和きのふに同じ
暮方迄に四度斗り震ふ夜丑之刻過る頃の一度ハ強かりし
十九日けふも同じ天気なり
昼之内二度斗り震ひしよしなれとしらず夜中四度斗り強く震
ひぬ
廿日けふも同じ
昼之内はしらず夜中二度至て軽し夕方より雨強く雷二声
ありし夕五ツ時頃雨もやミたり
廿一日陰晴不定
昼四ツ時頃より二度至て軽しきのふけふ昼之内ハ震ひし由な
れどもそれともしらぬ程の事なれば最早異る震ひはあ
らじと皆人心をゆるし端居してありしに暮る頃六ツ半時思ひか
けず震ひ出たり過し十四日のにハいたく劣らずながく震
ひしにぞむねさわぎてせんすべを知らずとかくする内に止たりし
かど是に驚かされて今夜は油断ならずと船の事とかくいひさわ
ぎたれ共【共に濁点】夜中の事なればとてやめたり
けふは稲荷之御神事にて御神輿還御の路上なるべく驚し
人もありしらずしてうかれ居たるもあるべし夜四ツ時過少し
八ツ時前後二度ハ強く七ツ時頃一度明六ツ時頃一度すべて今夜