翻刻
五度に及ぶ
廿二日朝より曇り五ツ時過雨一トしきり降て晴七ツ時頃より又強
く降出し暮六ツ時ころより別而裂敷電光如昼【"神まへ"を二重線で消して】雷さへ鳴
出し小止なかりしが五ツ時過雷やみ雨も少し静かにて終夜降
たり夜七ツ時過いさゝか震ひしけふも【"はカ"と添え字あり】座摩の御神事なり渡
御之時刻雨厳しければ晴間を待しかど小止なければさまではと
て神輿出し奉り御撫物其外共例之如し道の程より火ともし
ぬれど強く降雨に提燈破れ火は消てたゞ家毎の軒に出せる
献燈を便りに大路を渡し奉るに電光きらめきおとろお
どろ敷鳴はためく度毎に駕輿をはじめあやしの雑人迄
声を揚けてひたばしりに走るにともすれば倒れ伏などして
列を正す事ならずとかくして御旅所に着御なりて御禊そこ
〳〵にて還御なりぬその頃より雨は小止みぬ
廿三日陰晴不定
夜べよりの雨に近在は雨喜びすときく自身も夕への雨にてハ
もはや事あらじと安堵セしに未の刻頃少し震ひ程な
く強く震ひたるにまた胸さわぐ
河州 山先頃より山鳴たへず山麓大和河内之村里いたく恐
れ居るとぞ山にては此鳴動に驚き天下泰平の祈念に丹誠を
こらしぬるよし訴出たり
廿四日朝より雨巳の時頃より晴たりしが暮はてゝ又雨となり
子の刻頃より雲収月清