翻刻
八日両日逗留せしとぞ妙見町ハ無難なれども岡本町ゟ上の方ハ八分
通り倒れたりしかし出火怪我等ハなきよし承れバ各又力弥落
し歩行も出来兼る様に思へども互に心を取直して峠笹屋裏
の隠居無難なれハ泊る井村永本ハ荷物を当家へ預け置小田原泊
と下りしとぞ
一同廿日晴朝風夕凪長崎御奉行昨日小田原へ御下りにて馬なく見
合居しに午の時過漸く馬来り出足御関所も少々破損假小屋に
御役人御詰合新屋畑は不断之如く昨春小田原地震の節二子
山より石轉ひ落ち往還通行出来兼けれども此度ハ夫程の事
もなく所々山崩れるところもあれどもさしたる事もなし暮六ツ時
小田原着虎屋泊り当駅に来りはじめて東海道の心地もちに
なりたり
一同廿一日明七ツ半時小田原出立藤沢苫屋へ着たれバ西東平待合居
面会互に安堵同家泊
一同廿二日晴寒気七ツ半時川崎朝田屋着泊
一同廿三日晴後曇午時無事江戸着