翻刻
雪降る諺に曰雪ハ豊年之奇瑞とや楽し
・二日震風寒し雪偕に前に同じ《割書:雪ハ両日とも地に|積む程には降らず》北地村大火
《割書:予今日氏神之社に参るに詣る人甚空なり就てハ年賀之礼者とてもなく誠に|常に異りし事の有様なり〇北地茗荷谷にて本宅十四軒焼失す》
・三日震之度数減る少々暖なり〇昼九ツ時雨水之節に入る
・四日少々震《割書:数半ハ|減ず》黎明に霖して降る一人霾ると言後晴るゝ
《割書:今朝七ツ頃微之 雨降〇仁之村浜田氏小家之覆に唐紙をしけるが雨乾けるを|見るに恰も泥水を散らせし痕之如し然れば是土雨ならんと言へり》
・五日少しく震ふ終日西風烈しくして屋を揺かし枝を鳴らす間隙なし
《割書:夜に入り|止む》
・六日震同前朝寒く昼より少し温かなり《割書:夜半二度強く|ユレル》
・七日昼|強(繁)【訂正】く夜微し少し曇る《割書:大抵十度余り|ユレル》
・八日震《割書:昼七度夜三度|二度ハツヨシ》朝より雨降る暮頃より大に降夜半に止む
・九日震《割書:昼五度夜十五度|戌刻一度強し》西風吹寒からず
・十日震《割書:朝にて三度晩より夜半|迄度しげく且強きあり》暖かなり午後より西風吹く
・十一日震《割書:朝三度|夜五度》風雨甚し雷初めて鳴《割書:朝少し鳴晩に又少し鳴て|雨止む西風吹て晴となる》終日大雨降て
東風強く吹く〇是より井泉本に復す〇御馭初無し《割書:年柄ニ付兼日よ|り御延引》
去年秋季より早風連続し田圃甚タ乾燥して植物稿萎せしが
以前八日雨降てより始めて地滋めりけるが今度之大雨に愈湿
めり透り植物悖然として潤もし亦井水漸く出して方に本に
復す
・十二日震《割書:朝微細三度夜五|度二ツ強長》西風大ニ吹家を鳴らす晩微に雪降り大に凍る
・十三日震少大に寒く終日凍り解けず微之雪ふり西風吹
・十四日震微なり朝雪降寒し凍る