みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

訓蒙天地辨 人 - 翻刻

訓蒙天地辨 人 - ページ 3

ページ: 3

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ことなし或(あるい)は陰陽(めを)和合(わごう)して子を生ずるもの男となり女となる 其男となり女となるの理はいかん又|異国(いこく)上古の聖人(せいじん)に伏羲(ふっき)は 蛇身(じやしん)人首(じんしゆ)神農(しんのう)は人身(じんしん)牛首(ぎうしゆ)なりと何ぞ聖(せい)人にしてかくの ごとく畜物(ちくぶつ)に類(るい)せるや 答て云人物ともに其始は陰陽(いんよう)二気天地と剖(わか)るゝ程の盛健(せいけん) たる気なれば其(それ)が為に蒸(むし)出されたるものと見ゆ故に太素(たいそ) のみにて其後は人父母なくおのづから生(なり)出ることなし和漢(わかん)萬国(ばんこく)理 相同じ日本神代の説(せつ)のごときは人事(じんじ)以て造化(そうくは)を説(とく)有 其|巨細(こさい)には国史(こくし)実録(じつろく)にもとむべし異国の古(いにしへ)も女媧(じよくは)氏(し)玉を 練(ねつ)て天のかけたるを補(おぎな)ふ等の怪説(くわいせつ)少からずそれ陰陽の気 聚(あつまり)て形(かたち)をなし形成て質(しつ)を為(な)す形成て猶(なを)柔(じう)にいまだ動ず質(しつ)具(そなわ) て方(まさ)に剛(ごう)に能(よく)動(うご)く故に含胎(がんたひ)の腹(ふく)抱伏(ほうふく)の卵(らん)皆|先(まづ)静(しづか)にして 後|動(うご)く魄(はく)始て聚(あつま)り魂(こん)是に従(したか)ふ形質(けいしつ)備(そなわつ)て魂魄(こんはく)交(まじは)り然(しかう)して のち各(おの〳〵)其所を得(え)て生(せい)をなす太極(たいきよく)未分(みぶん)の前(まへ) 萬事(はんじ)萬類(ばんるい)一|源(げん)也 故に陰陽(ゐんよう)は一(いつ)太極(たいきよく)と云也又云天は気を賦(ふ)し地は形(かたち)を賦(ふ)す天 の賦す気の質(しつ)は性情(せいじやう)なし雨露(うろ)霜雪(そうせつ)是也地の賦(ふ)す形(かたち)の質 は性(せい)ありて情(じやう)なし 草木(そうもく)土石(どせき)是也 天地 交(まじわり)て賦(ふ)すものは則|気(き) 形(けい)全(まつた)く備(そなわ)りて性(せい)あり情(じやう)あり鳥獣蟲魚(ちやうじうちうぎよ)是也すべて夫天地 生(せい)々|化(くわ)々して止(やま)さるがゆへに人も物も又生死(しょうじ)あつて尽(つく)ることなし 然(しかう)して浮圖(ふど)氏(し)再生(さいせい)輪回(りんゑ)の説(せつ)のごときは愚夫(ぐふ)愚婦(ぐふ)を威(おどし)して 善に趣(ゆか)しむるの方便(ほうべん)のみ其陰陽|和合(わがう)して胎生(たいしやう)し男女の 別あるごときは人のみにあらず有情非情(うじやうひじやう)こと〳〵く雌雄(めを)あり是 天地|自然(しぜん)の理也二気|交感(こうかん)し胎(たい)をなすに若(もし)陰血(ゐんけつ)先(まづ)至(いた)り陽(よう) 精(せい)後(のち)に衝(つく)ときは血(ち)ひらゐて精を裹(つつ)む陽内にして陰外也陰 の陽を抱(いだく)がゆへに男形(なんけい)成(なる)又陽|精(せい)先(まづ)入陰|血(けつ)後(のち)に参(まじわ)るは精(せい)開(ひらい) て血(ち)を裹(つつ)む陰内にして陽外也陽の陰を抱(いだく)がゆへに女形(ぢよけい)なる