翻刻!地震・災害史料

コレクション: 暫定コレクション

信州大地震并異國舩到来写 - 翻刻

信州大地震并異國舩到来写 - ページ 22

ページ: 22

翻刻

異国暗弱之時運傾る事是顕然たり又我朝の 徳沢にて対勇秘術におゐては水月飛鳥打放す 筒先尖にして壱つとして仇なるはなく一玉を 請ては五人六人宛打殺頻りに打止飛玉に船中悉く 黒烟り忽然と立昇飾立たる船具は猶更■箇【武器の誤写ヵ】も 不残焼失いたし申の刻迄儀【義】を重し名をおしの接戦 罷在時の有様八島合戦にも勝るへき歟数百年来 寄々妙々珍事成此時軍艦には謀事も有之筒音 忽ちやみ人語に絶へたり岸之方には不審不極候得共 最早日も西山へ傾けは暫く士卒の息を休め夜軍 の用意し勝敗を決せんと普厳重備を立待もふけ 居たりしに敵戦の色に見えす慌敷芦火のかげ 見えてぞ残る夕暮に浦風迄も長閑なる春に誘は れ指汐の月を詠して夜を過し東雲頃にも成也 否鏡【暁の誤写ヵ】鶏発して陣藩に至る暁日山の端を昇 照すれは敵船眼前に見え下し衰なるかな時烏に 違ひ日に映する軍艦も烟に染し箕【籏】もなし只燃杭 を浮めるか如し陣に取沙汰嘲を交人大方ならす 然るに今一戦もなく時刻を移すは大隅守家臣 士卒三拾余人召連何れも大切之役義なれはとて 武具を正し密事を示し敵艦近漕寄て今や 打ひしかんと時を造り名乗しは敵一声にも不及