東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 1

究理知慧の勧 : 訓蒙画入 巻之1 - 翻刻

究理知慧の勧 : 訓蒙画入 巻之1 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

【右頁】 木(こ)の葉(は)に滴(したゝ)るもの是(これ)を露(つゆ)といふ◯晴(はれ)たる 夜(よ)は露(つゆ)多(おほ)く曇(くもり)たる夜に露(つゆ)少(すくな)きゆへは晴天(せいてん) の夜(よ)は地面(ぢめん)の冷(ひゆ)ること早(はや)きゆへ雲(くも)の溜(たま)る ことも多(おほ)く天(てん)曇(くも)りたる時(とき)は恰(あたか)も地面(ぢめん)に雲(くも) の衣服(いふく)を着(きせ)たる如(ごと)くゆへ土地(とち)の温氣(うんき)を咄(はき)【吐ヵ】 出(いだ)すこと少(すくな)く夜中(やちう)十分(じふぶん)に冷(ひ)へざるゆへ露(つゆ) の生(しやう)すること少(すくな)し又(また)池(いけ)沼(ぬま)等(とう)の水(みづ)は陸地(くがち)よ り蒸騰(むせのほ)ること多(おほ)きゆへ夜(よ)に入(い)れば其上(そのうへ)に 【左頁】 水烟(みづけむり)を見(み)る  もの也(なり)是(これ)は 池(いけ)沼(ぬま)等(とう)より 騰(のぼ)りたる水(すゐ) 氣(き)寒(さむ)さの為(ため) に忽(たちま)ち水(みづ)に 返(かへ)りし故(ゆへ)也 此(この)水氣(すゐき)は遂(つい)

現代語訳

【右頁】 木の葉に滴るものをこれを露という。○晴れた 夜は露が多く曇った夜に露が少ないわけは、晴天 の夜は地面の冷えることが早いため雲の溜まる ことも多く、天が曇った時は恰も地面に雲 の衣服を着せたようなため、土地の温気を吐き 出すことが少なく、夜中十分に冷えないため露 の生ずることが少ない。また池や沼などの水は陸地よ り蒸発することが多いため、夜に入ればその上に 【左頁】 水煙を見る ものである。これは 池や沼などから 昇った水 気が寒さのため に忽ち水に 戻った故である。 この水気は遂に

英語訳

【Right page】 What drips on tree leaves is called dew. ○ The reason why there is much dew on clear nights and little dew on cloudy nights is that on clear nights the ground cools quickly, so clouds accumulate frequently, and when the sky is cloudy, it is as if the ground is clothed with garments of clouds, so the land expels little warm air, and because it does not cool sufficiently during the night, little dew forms. Also, water from ponds and marshes evaporates more than from land, so when night falls, above them 【Left page】 water vapor can be seen. This is because water vapor that rose from ponds and marshes immediately turned back to water due to the cold. This water vapor eventually