東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 5 江戸名所図会

江戸名所図会 20巻 巻之17 - 翻刻

江戸名所図会 20巻 巻之17 - ページ 43

ページ: 43

翻刻

【右丁】  水鶏(くひな)は橋場(はしは)の  あたり及(をよ)ひ佃嶋(つくたしま)  を佳境(かきやう)とせり  源氏物語(くゑんしものかたり)にも  なか〳〵に春秋(はるあき)の  花紅葉(はなもみち)のさかり  なるよりはたゝ  そこはかとなう  しけれるかけとも  なまめかきに  くひなのうちたゝき  たるはたかかと  さしてとあはれに   おほゆとは  しるされ   はへりし

現代語訳

【右丁】 水鶏(クイナ)は橋場あたりおよび佃島を最も美しい景色の場所としている。『源氏物語』にも「なかなかに春秋の花紅葉の盛りなるよりは、ただそこはかとなく茂れる陰ともなまめかしく、水鶏の打ち叩きたるは高雅で、さして哀れに思われる」と記されている。

英語訳

【Right Page】 Water rails (kuina) consider the area around Hashiba and Tsukuda Island to be the most scenic locations. The Tale of Genji also records: "Rather than during the height of spring and autumn flowers and autumn leaves, it is in the indefinably luxuriant shadows that are so graceful, where the tapping of the water rail sounds elegant and deeply moving."