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コレクション: STAGE7

風俗畫報臨時増刊第百二十八號 洪水被害録(下) - 翻刻

風俗畫報臨時増刊第百二十八號 洪水被害録(下) - ページ 35

ページ: 35

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小松町外二十一ヶ村にて死者(しゝや)二十、流失家屋(りうしつかをく)八十二、土蔵(どぞう)二十、 潰家(つぶれや)百十六、浸水家屋(しんすゐかをく)一万餘 其他(そのた)手取川以北の村々 被害(ひがい)多く死 傷数多あり江沼郡内(えぬまぐんない)は被害甚しき模様(もやう)なり何れも只今(たゞいま)取調中今 回の洪水(こうずゐ)は前古未曾有なり三日 夕刻(ゆうこく)より雨亦来るとあり 同十二日 午後(ごご)五時廿分発の報告(はうこく)にて始て被害(ひがい)の詳況を知るを得 たり今日(こんにち)までに達したる確実(かくじつ)の調査に據るに江沼郡(えぬまごうり)は死者七、 負傷者(ふせうしや)八、流失家屋(りうしつかをく)二十九戸、潰家(つぶれや)三十八、半潰四十七個、破(は) 損(そん)四十七、浸水(しんすゐ)三千九百四十四戸、其他(そのた)の建物(たてもの)にて流失六十、 潰れたる者三十、半潰(はんつぶれ)五十七、破損(はそん)三十九、浸水二千三百八十 七、船舶(せんぱく)の破損七、橋梁(けうれう)の流失九百九十四、破損(はそん)三百二十八、 堤防(ていばう)の破壊四百十、此延長(このえんてう)一万七千七百三十五間、道路(だうろ)の破壊(はくわい) 個所(かしよ)千百九十四、此延長七万二千百四十八間、田畑作付流失反(でんはたさくつけりうしつたん) 別(べつ)二百二十八町七反七畝五歩、流失反別(りうしつたんべつ)四千六町三反一畝十八 歩 荒地反別(こうちたんべつ)二百八十五町三反三畝十三歩、山崩(やまくづれ)ヶ所七千四、能 見郡は死者(しゝや)四十六、負傷者(ふせうしや)七十、行衛不明者(ゆくゑふめいしや)十五、流失家屋(りうしつかをく)二 百三十二、潰家(つぶれや)二百三十一、半潰八百七十八、浸水(しんすゐ)一万一千三 百三十九戸 其他(そのた)の建物にて流失(りうしつ)百四十五、潰(つぶ)れたるもの百九十 九、石川郡(いしかはごうり)は死者十四、負傷者(ふせうしや)七、牛馬の死したる五、流失家(りうしつか) 屋(をく)八十五、潰家(つぶれや)二百五十五、浸水(しんすゐ)二千九十九戸、其他(そのた)の建物(yたてもの)に て流失(りうしつ)五十六、潰れたる者八十五、浸水(しんすゐ)千四、船舶の流失破損 四十、橋梁の流失(りうしつ)百九十六、破損(はそん)三百七十二、堤防(ていばう)の破壊(はくわい)ヶ所 百二十八、此延長(このえんてう)六千八百三十五間、道路の破壊ヶ所四百十五、 此延長一万六千五百五十八間、田畑(でんはた)の作付 流失反別(りうしつたんべつ)千七百三十 【左頁下段】 町八反六畝四歩、荒地反別(こうちたんべつ)三百二十五町二反八畝十四歩、山(やま) 崩(くづれ)ヶ所五百二十一、電柱転倒(でんちうてんたう)一本、金沢市(かなざはし)は死者一、負傷者一、 浸水家屋七百四十二、橋梁(けうれう)の流失(りうしつ)四、堤防の破壊ヶ所二十、此(この) 延長(えんてう)四百五十六間、河北郡は家屋(かをく)の半潰一、浸水(しんすゐ)七四、橋梁(けうれう) の流失(りうしつ)十七、破損(はそん)十六、堤防の破壊ヶ所三十一、此延長(このえんてう)四百五 十間、道路(だうろ)の破壊二十五 此延長(このえんてう)五百三十六間、田畑の作(さく)は流失(りうしつ) 反別(たんべつ)五町三反二十七歩、浸水反別(しんすゐたんべつ)八百二十四反七畝十二歩、荒 地反別一町四畝歩 ( 浅野川(あさのがは)に係る分欠く)なり 金沢市内(かなざはしない)の犀川、浅野川(あさのがは)も去る七日 以来非常(いらいひぜう)に出水し常水(ぜうすゐ)より 増すこと八尺、各所(かくしよ)の橋梁、堤防(ていばう)も危急に瀕したれば沿川市内(えんせんしない)は 勿論(もちろん)水下各村には鐘鼓(せうこ)を鳴して警を伝へ警官(けいくわん)、消防夫等(せうばうふとう)出張の 上八方防禦に手を盡(つく)したるに依り多少(たせう)の損害は免れざりしも先 は大事(だいじ)に至らざりしと      ●福井県下の水害 福井県(ふくゐけん)にては八月七日夜より翌朝(よくてう)へかけての劇雨(げきう)に因り著しく 水量を嵩(たか)め七日午前九時頃よりは降雨(かうゝ)漸く止みたるも水(みづ)は少し も低減(ていげん)の模様なく寧(むし)ろ増水の傾向(けいかう)にて足羽川は六日 朝(あさ)七時頃の 水量(すゐれう)十尺に及び其後 晴模様(はれもやう)にて午後より一 旦減水(たんげんすゐ)せる間もなく 畳み重ねし夜来(やらい)の降雨にて七日 朝(あさ)は水量又々十一尺二寸に上り しかば然(さ)らでも水に浸(ひた)り易き川添地(かはぞひち)なる水田畑方毛矢町九十九 町(てう)は一 帯(たい)に浸水の害(がい)を蒙(かふむ)り往来の不便(ふべん)を感じたりと云ふ尚(なほ)東別 院近傍は尻込(しりごみ)の姿となりて水浸(みづひた)しに為るべき模様(もやう)なりき又各郡(かくぐん) 水害模様(すゐがいもやう)左の如し 【左頁上段】 吉田郡上志比村にては勝山道破損一ヶ所堤防破壊二ヶ所 (延長十一間)土砂侵入田 地二ヶ所 (反別一反二畝歩許)下志比村にては芝原用水堰口破壊一ヶ所 (延長十間) 志比谷村永平寺道崩壊二ヶ所 (延長十六目)永平寺川石垣破壊二ヶ所 (延長六間) 土砂侵入田地二ヶ所 (反別一丁九反歩許)又家屋浸水は河合村にて床上一尺床下一 戸東藤島村にて床上二戸床下一戸西藤島村にて床上一戸床下一戸 今立郡池田村にては桟橋の流失一ヶ所 (長七間)假橋流失一ヶ所 (長十三間)橋梁流 失一ヶ所 (間数不詳)池田道欠壊一ヶ所 (長十三間) 丹生郡志津村にては堤防欠壊五ヶ所 (延長四十六間)土砂侵入田畑七ヶ所 (反別四 反六畝十歩)山岳崩壊一ヶ所 (高二丈上巾二間下巾三間厚六尺)道路欠壊一ヶ所 (長 二間)越廻村にて橋梁破損一ヶ所国見村にて山岳崩壊一ヶ所 (高八尺巾二間厚一 尺)外に三方村より志津村に通する梅浦道一里間浸水し一時通行を絶てり南條郡 堺村にては假橋長三十五間の内十五間流失鹿蒜村にて道路流失二ヶ所 (延長百八 十九間) 敦賀郡敦賀町にては丹後街道欠壊一ヶ所 (長一丈)笙の川筋堤防欠壊三ヶ所 (延長 二十九間)同川に架設橋梁足場流失一ヶ所粟野村にては家屋浸水床下一戸土砂浸 入田地二ヶ所 (反別八畝歩)東郷村にて修繕中の堤防欠壊一ヶ所 (長十六間)愛発村 にて假道路欠潰二ヶ所 (延長九十五間)假橋墜落二ヶ所 (長六間一ヶ所長七間一ヶ 所)中郷村にて土橋長十五間の内中央破損一ヶ所 (長一間三尺) 其他合浸水(そのたしんすゐ)の箇所尠なからざるの別段人畜(べつだんじんちく)の被害あるを認めずと いふ 九月九日 午後(ごゞ)五時三十分福井県 知事発(ちじはつ)の報に曰く  福井市(ふくゐし)の 水害(すゐがい)は七日足羽川筋成願寺和田中の堤防(ていばう)を决潰し為めに全市浸(ぜんししん) 水(すゐ)し床上八分餘甚しきは六尺 以上(いぜう)に及び救助人員(きうじよじんゐん)は凡そ五十人 水流非常(すゐりうひぜう)の急激にして殊に夜中(やちう)なるを以て財産の損害(そんがい)甚だしく 鉄道電信道路不通にして郡村(ぐんそん)の状況を知るに由なく被害(ひがい)の分り し分は足羽郡家屋流失(あしばごうりかをくりうしつ)三十一、全潰(ぜんくわい)一、半潰十五、生死不明十 三、死体発見(したいはつけん)一、吉田郡家屋流失三、全潰(ぜんくわい)一、半潰七、死亡二 大野郡家屋流失十八、半潰(はんくわい)六、死亡(しばう)三、坂井郡死亡一、今立郡 【左頁下段】 家屋流失(かをくりうしつ)二十二、全潰二十二、半潰(はんくわい)三十一、死亡四、其他(そのた)堤防 道路橋梁の破壊流失(はくわいりうしつ)、山岳の崩潰(ほうくわい)、作物の被害夥しく且つ交通(かうつう) し得べき方面(はうめん)へは県官及び警官(けいくわん)出張して専ら救護(きうご)に従事中(じうじちう)なり