翻刻
【右丁】
糸瓜(しくは) へちま いとうり なかうり《割書:薩|州》
紡線糸瓜(はうせんしくは)《割書:通|名》 天羅絮(てんらしよ)《割書:群芳|譜》
春月 種(たね)を下(くた)して生す蔓(つる)延(のひ)て竹木に紆(まと)ふ葉は胡瓜の
葉に似て五七 尖(せん)あり花は壺芦(ころ)《割書:ゆう|かほ》に似て小く黄色 一(いつ)
茎(けい)に攢族(さんそく)す実(み)は壺芦(ころ)に似て長さ二尺余皮の中肉な
く糸(いと)あり熟(しゆく)するに及て緑色(みとりいろ)瓜(くは)の小なる時 塩蔵(ゑんさう)し食
ふ或は味噌(みそ)を点(てん)し炙(あふ)り食す熟したるをとり米泔水(しろみつ)
に浸(ひた)し皮肉(ひにく)をさり履(たひ)の底(そこ)に入れ又物を洗(あら)ふにもちゆ
八月の望(もち)の夕(ゆふへ)に根の上を一尺 余(よ)に切 瓶(つほ)の中に挟(さ)し置(をけ)
は水出つ此をへちまの水といふ此を附方に糸瓜汁(しくはしう)と云
もつはら痰(たん)に用て功(こう)あり
【左丁 文字無】