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の中に割て入面も不振戦しか余多の敵を伐落し我身も
数か所の疵を蒙りけれは是迄と思ひ切馬ゟ下に飛て
下り自害せんとする処に敵の兵透間もなく馳来る心得
たりといふ儘に真先に進む兵の諸脚薙て切伏せ二
番に続く兵と引組て刺違て共に空敷成にけり爰に柚
木崎丹後守は一人跡へ踏止り大音上て呼りける是は義祐の
郎等に柚木崎丹後守政家と申者也忠平の御内に名
ある侍しはし申入度子細有是へ〳〵と招きける勝に乗る
雑兵共耳にも更に不聞入我討取んとひしめきける丹後
守は是を見て理非をもしらぬ奴原哉そこ立退という儘
に遮る敵を弓手馬手に切て捨て忠平の旗本に真一文字
に駈来り忠平其由御覧して是は名有侍と聞子細を聞と宣へは
旗本の兵共丹後守を中に取込丹後守馬ゟ飛て下り打物
からりと捨いかにかた〳〵聞給へ我等か主の義祐は嶋津殿の御
恩を蒙り栄花に盛し人なれ共逆心を企天命に背申候故
此度の合戦悉く敗軍し家の滅亡不遠嶋津殿の御家に
降参申度は候へ共賢臣二君に不仕といふ本文の詞に恥只今討
死仕幼少の一子候を忠平様に奉り哀高きも賤も子を
思ふ道に迷事押はかり給へし此事申さんか為に是迄参候也
今は思ふ処なし首をめされ候へと甲を脱て彼所へ捨もんじん【(問訊=合掌低頭)】
してこそ【強調】居たりける忠平此由聞召哀成事共哉一子の事は
扨置汝も降参仕れひらに〳〵と宣へは丹後此由承りこは