翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

鶯宿雑記. 巻199-200 - 翻刻

鶯宿雑記. 巻199-200 - ページ 106

ページ: 106

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 比干か諌に相同し伊東か家の滅亡疑なし殊に義祐の御子  義益は義久向退治の御立願の其為に岩崎の稲荷の宮  に籠せ給ふか神も非礼を受給はす社頭にて頓死して失  給ふ是一ツの瑞相也然時は此度の御合戦千に一ツも勝利を  得給ふ事あらし諸軍もいかて勇むへき皆敵に降参せんは  必定也我々とても未頼むへき身にはあらす此事福永に告  知せ落さはやと思ひつゝ文こま〳〵と書認福永へそ送ける  我身居館に引籠り世間の様を聞居たり福永熟々と  見て覚て拵たる事なれは驚くへき事にてなし討手向ん  其先に妻や子共を刺殺し腹切んと思ひしか待しはし我心  今日此頃と申は親は子をたはかれは子は又親に楯を突欲心    深き世中に野村とても頼れす渠か館へ打越直に対面し心の  内を興/(本ノマヽ)【四字右に注記】して知り身の行衛を究んと郎等に早瀬兵部左衛門  恒高とて大剛の兵を近付か様〳〵の次第にて野村か館に打  越か自然の事の有ならは妻子を害し焼払跡を清め  て得さすへし今生の対面是迄と鬼も欺く福永か泪と  共に立出る早瀬も涙をおし留御心易思召某斯て有上は  千騎万騎と思召縦寄来る者迚も軍は花を散すへし浮世の  名残是迄と門の戸をさし固め残し兵相添寄来る敵を今  や〳〵と待居たり是は扨置討手の大将稲津川崎野村か館  へ使を立時刻移りて叶まし早打立給へと申ける野村此由  を聞よりも俄に急病に犯され前後不覚候へは中々叶まし