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比干か諌に相同し伊東か家の滅亡疑なし殊に義祐の御子
義益は義久向退治の御立願の其為に岩崎の稲荷の宮
に籠せ給ふか神も非礼を受給はす社頭にて頓死して失
給ふ是一ツの瑞相也然時は此度の御合戦千に一ツも勝利を
得給ふ事あらし諸軍もいかて勇むへき皆敵に降参せんは
必定也我々とても未頼むへき身にはあらす此事福永に告
知せ落さはやと思ひつゝ文こま〳〵と書認福永へそ送ける
我身居館に引籠り世間の様を聞居たり福永熟々と
見て覚て拵たる事なれは驚くへき事にてなし討手向ん
其先に妻や子共を刺殺し腹切んと思ひしか待しはし我心
今日此頃と申は親は子をたはかれは子は又親に楯を突欲心
深き世中に野村とても頼れす渠か館へ打越直に対面し心の
内を興/(本ノマヽ)【四字右に注記】して知り身の行衛を究んと郎等に早瀬兵部左衛門
恒高とて大剛の兵を近付か様〳〵の次第にて野村か館に打
越か自然の事の有ならは妻子を害し焼払跡を清め
て得さすへし今生の対面是迄と鬼も欺く福永か泪と
共に立出る早瀬も涙をおし留御心易思召某斯て有上は
千騎万騎と思召縦寄来る者迚も軍は花を散すへし浮世の
名残是迄と門の戸をさし固め残し兵相添寄来る敵を今
や〳〵と待居たり是は扨置討手の大将稲津川崎野村か館
へ使を立時刻移りて叶まし早打立給へと申ける野村此由
を聞よりも俄に急病に犯され前後不覚候へは中々叶まし