← 前のページ
ページ 64 / 114
次のページ →
翻刻
一幡指ハ幡さゝぬ時ハ弓をハ持ぬ也矢斗ぬきて持也弓を下人に持する也
一入乱たる合戦の時敵味方見分さる時ハ依其時宜幡斗ひつときて
相引へ押入て戦ふ也合戦の時宜によるへき也
一合戦の 遇(過か)て我宿所へ帰て其日より三日幡を付なから置也
たとへ我在所ならす何方に有共うち帰りたる在所に三日付なから
置へし但三日め悪日ならは二日めも又三日より以後成共吉日を以て
幡を可納也
右連々相伝之分悉委注置訖於幡儀者秘説不可過之
聊不可有外見者也 寛正二年四月日
【頁上方の注記六行】
乗頓云此条
之処ニ一又
中原忠高
軍陣聞書
トアリ疑ウハ
原本二冊ナルカ
一又【?】弓の弭虵の頭に似たり是を恐れ思召今のはすに造りなされたり虵
の舌に表すへしとて筈をなかく出して弦を懸けられたるにより
今の世迄も如斯也黒き虵を表するによりて弓ハ黒木を本とす
る也其後とうをつかふる虵の色々に表する也かふら藤ハ虵の形
也末筈本筈ハ虵の頭也口の色ハ赤きとて朱をさすへき事
本儀也故豊後守高長 普(義教)広院殿山門御退治の時興雲
寺殿御供申出陣いたす時重藤の弓を持末筈本筈に朱をさし
持たる也知ぬ人ハ不審する也小笠原備前守持長法名浄元帰陣
の時見物有て御褒美有たる也其時高長おひたる矢切符廿五矢也
一一ふくらといふ事ハ弓一張のこと也二ふくらといふハ二張の事也
一弓を御たらしといふ事ハ只の人の弓ハ申ましき也公方様の御弓をハ
可申也御矢をハ御てうとゝ可申也是も公方様の御矢ならてハ申間しき也
一とうハ白き本也ぬりこめ藤といふハ重藤の上を赤漆にてぬりたる