翻刻
【右頁】
の事は下に載たり。女人の服もさして替る事なし。外(うは)
衣(ぎ)を襠(うちかけ)にし。左右の手にて襟を曳て行となり。寝衣(よぎ)
の制(いしつた)【ふりがな?】。日本と同じ。衾(ふすま)といふ。衣服に両面を反覆(うらがへ)して
着たる様に制したるも有り。惣して帽帯の織物は。
唐土■といふ地にて織。此国へ売渡す琉球国にては唯
芭蕉布のみを作る。家〳〵の女子。皆手織にす。首里(すり)にて
制(せい)する物を上品とす
○年中行事
正月元旦。国王冠服を改て。先年徳を許し。夫より諸
臣の礼を交。同十五日の式。元日に同じ《割書:毎月十五日諸|臣の■■【登城ヵ】あり》王ゟ
茶と酒とを賜ふ。扨民家の女子は毬(まり)をつきて遊び。
また板舞といふ戯(たはむれ)を為す。図の如く真中へ木の台
を居其上へ板を渡し。二人の女子両端に対(むか)ひて立。一人
躍(おど)り上れば一人は下にあり。躍り上りたる女子。本の
所へ落下る勢ひにて。こなたに立たる女子は五六尺も刎
上るなり。其舞。転倒せさるを妙とす。其池【地の誤り?】北極地を
出る事二十五六度なる故。暖気も格別にて桃花も䘺ひ。
長春は四季ともに花咲ども。わけて此月を盛とす。
【左頁】
板舞之図(いたまひのづ)