翻刻
に対する間も。紙条を鼻孔(はなのあな)へ入てくつさめを為といへり
○哥舞(うたまひ)
王宮にて哥舞を興行する時は五六丈四面の舞台を
造り。四方に幕を張り。楽人は紅衣緑(くれないのきぬみとりの)衣を着し夫〳〵
の巾を戴き蛇の皮にて張たる三弦。提琴。笛/小鑼(こどら)。鼓(つゞみ)
なとを持て二行にならび。ゆるやかに楽譜を歌へば
暫く有て。階(はし)懸りの幔(まく)を褰げ。舞人出るなり
○小童四人朱き襪(ま**づ)【ふりがな不明】を履(はき)。五色の長き衣を襠にし。
頭に黒皮にて作りたる笠に。朱纓の付たるを戴き。廻(まひ)
旋場(ながらぶたい)に登り。楽人の方へ向ひて座す。楽工其笠を取。
朱纓(あかひも)を笠の上へ捲つけてあたふれば。童子うけ取て
立上り。足様【?】子を曲節に合せて舞ふ。此を笠舞
と名付く
○小童四人金扇子に花を錺りたるを戴き朱帕
を為し。五色の衣をいかにも花やかに着なし。
五色の花をつけたる索(なは)の輪に為たるを頂(くびすぢ)に
置て。場(ぶたい)に登り。其索を手にかけ手拍子を
鳴【?】て舞事。笠舞の如し。是を号て花索舞といふ
○小童三人頭に作り花を錺り。綿の半臂を着し。
小き花籃(はなかご)を肩に置て場(ぶたい)に登り前のことく舞ふ。
籃舞と名つく
○小童四人。五色の衣を着して場に登り楽工の前に
座すれば。楽工語て小竹拍片(よつだけ)【あみがしらに片?】を援(さづ)く。童子取て立上り
拍て場に舞これを拍舞といふ
○武士六人白黒の綦紋の袖を大に仕立たる短き衣を
着し。金箍(きんのはちまき)を額に結び白き杖を突て場に登り。撃(うち)
合音を節に合せて舞ふ武舞と号す
○小童二人五色の服を穿(き)。金の毬(まり)の四面に鈴をつけ。朱
き紐の長く付たるを持左右に立て舞ながら。二疋の獅子
を引て場に登り獅子を狂はせなから舞ふ。獅子は種〳〵
の狂ひをなし。其興ある曲なるはし是を毬舞といふ
○小童三人さはやかに粧(よそほ)ひ場に登り楽人より一尺ばかり
なる。金様(きんだみ)の桿(ぼう)を請けり【?】。交撃て舞ふ此曲を桿舞といふ
○小童四人手に三尺ばかりの竿に花の付たるを。各一本
宛たづさへ舞ふを竿舞といふ
○索馬