琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

琉球解語 - 翻刻

琉球解語 - ページ 15

ページ: 15

翻刻

馬は日本と替る事なし。山坂または石原を行に蹶(ツマヅカ) ず。山に上り。水を渉(わた)れば馳(ハス)。是自然に其土地に馴た れはなり此地四季ともに暖気にして。冬も草の枯る事 なきによりて終歳春草を食ふかるかゆへに豆を食はす るに及ばす民家にて馬の入用なる時は。野より牽入用事 過れば野へ放すとなり鞍鐙其外とも日本の馬具に かはる事なし。唯【?】小紐の下と。むなかひに紅の糸にて 作りたる。丸き房を付るなり  飾馬之図 此外舞には。扇曲(あふきのきよく)《割書:童子六人|にて舞ふ》掌節曲(てひやうしのきよく)《割書:小童三人|にて舞ふ》などゝいふ 舞あり    楽には 太平調(たいへいちやう) 長生苑(ちやうせいゑん) 芷蘭香(しらんかう) 天孫太平歌(てんそんたいへいのうた) 桃花源(とうくはげん) 楊香(やうかう) 寿尊翁(じゆそんおう) 是等の外。数曲あり此内桃花源。楊香は明楽(みんらく)なり寿 尊翁は。清朝の楽なり。又神哥といふ物あり日本の式三 番の如く国楽を奏する始に一老人の形に打扮(いでたち)。場に 登りて此曲を舞ふ。此国混沌のはじめ。世を御したる 神垩天孫氏。世〳〵の国王位に登る毎に形を現じ て霊祐を示す。すなはち迎神の歌を製して。もつて これを歓楽(くわんらく)す後世にいたりて神しば〳〵形を現ぜず。 故に神代より送りたる唱哥を伝へて。国王即位の 時か。格別の儀式ある時此曲を行ふ。神哥を唱ふる 間は管弦ともに声を出さずとなん    ○俳優 舞楽に続て俳優(わざおぎ)あり。其狂言に。鶴亀といへる兄 弟の童。父の仇を復したる古事あり。日本の曽我