翻刻
【右丁】
恋(こい)しきは
親父(おやじ)の
臑(すね)に
母(はゝ)の
臍(へそ)
水鳥(みつとり)も
鳩(はと)も源氏(けんし)の肩(かた)を持(も)ち
【左丁 上下の順】
ばん
町(てう)の
古(ふる)
井戸(ゐど)
で
呼(よ)ぶ
焼(やき)つぎや【注①】
びんづる【注②】の
股(また)を
お妾(めかけ)
やたら
撫(なで)
【注① 有名な怪談話「番町皿屋敷」を踏まえた句。庭の古井戸に身を投げたお菊の幽霊が焼接ぎ屋を呼んでいるというもの。焼接ぎ屋とは欠けた陶器を釉(うわぐすり)で焼きつけて接(つ)ぐことを業とする人。また、その家。】
【注② 賓頭盧頗羅堕(びんづるはらだ)の略。釋迦の弟子。俗に、病人が自分の患部と同じその像の箇所をなでて病気の快復を祈願する。「なでぼとけ」とも言う。】