翻刻
三郎かあくねん【悪念】いふき山にてあくき【悪気または悪鬼・悪戯ヵ】となり山
中よりつふてをなげつけとくき【毒気】ふきかけ
ける
【右頁・下】
村のしうこれこ
のやういた事は
きんねんおほえ
ぬ はいとく
さん【敗毒散 注】ではいき
ます
まい
【注 近世、広く愛用された売薬。頭痛、せき、かぜなどに効があった】
【右頁・中央】
うぬめらいち〳〵
わつらわせ
ておち
をとる【落を取る=見物人の喝采を受ける】
さて
〳〵
ふて〳〵
しい村のやつらかな
あれ〳〵せつながつ
て【押迫られて苦しがって】てん
やわや【大勢が先を争って混乱する】
ひろぐ【しをる:「する」「行う」の意をののしって言う語】
【左頁・中央】
つぶてになけたる石大石小石ともにもち
だんごなとひきちきりて つかみ
たる やうにあと
つきて
いぶき
山
ふ
も
と三四里がほどい まに
みち〳〵
たり これ を
いふき 山の
つかみ
石と
申
ねつから
いこかれぬ【動かれぬ】
あんと【「なんと」するの意。「何と」の変化した語】する
事だ
もさ【注】
【注 終助詞。近世の関東方言。感動をこめて人に告げることばの末尾につける。~よ。】