翻刻
【右丁 上段】
只(たゞ)なだらかに読(よみ)や
すく言(ことば)のしりも
いやしからぬを第一
とす去(さり)ながら昔(むかし)
よりもちひ来(きた)り
たる異名(いめう)古語(こご)
をすつべきにも
あらず其(その)人体(じんたい)に
よるべきかたとへは
法体(ほつたい)の隠者(いんじや)【注①】風(ふう)
雅(が)の好士(こうず)などの
かたへは訴状(そじやう)請(うけ)状
などのやうなる
【注① 「隠者(いんじや)」は難読につき東京学芸大学教育コンテンツアーカイブ所蔵の異本(請求記号T1A0/62/21)に依った。
【左丁 上段】
差別(しやべつ)有べし同(どう)
輩(はい)よりも以下(いげ)は
少(すこ)しこばしたるも
にくむまじき
なり只(たゞ)うやまひの
状(じやう)にはあまりかたく
有まじき事也
▲書中(しよちう)の文字(もじ)
づかひのことは音(こへ)にて
聞(きこ)ゆる字(じ)は行(ぎやう)に
書(かく)べし訓(よみ)にて聞(きこ)
ゆる字(じ)は草(さう)に書
べしと有/夫(それ)にも
【13コマ目上段に続く】
【右丁 下段】
鍍金(めつき)に而 飾(かざる)_レ之(これを)糸組(いとくみ)者(は)総角(あげまき)花(け)
蔓(まん)胸紐(むなひも)練糸(ねりいと)縫糸(ぬひいと)以(もつて)【二点脱ヵ】籆(わく)■(かせ)【注②】
撥拊(はつふを)_一 五色(ごしき)之(の)巻分(まきわけ)天蝅糸(てぐす)者(は)漁(りやう)
者(し)之(の)所(ところ)_レ用(もちゆる)投網(たうあみ)打網(うちあみ)纚(さで)以(もつて)_二捻苧(ひねりそ)_一
合(あはせ)_レ糸(いとを)《振り仮名:透_二-立|すきたつる》之(これを)_一櫛挽(くしひきは)捙梳(さしぐし)【注③】扺子(か[う]がい)【注④】
笄(かんざし)櫛拂(くしはらい)鏡磨(かゞみときは)当世(たうせい)風流(ふうりう)之(の)菅(すげ)
【左丁 下段】
笠(がさ)編笠(あみがさ)網代笠(あじろかさ)綿帽子(わたぼうし)引綿(ひきわた)
■(はづ)【注⑤】塗桶(ぬりをけ)是(これ)女(をんな)童(わらべ)之(の)手業(てわざ)也(なり)
傘(からかさ)挑燈張(てうちんはり)轆轤挽(ろくろひき)木履(ぼくり)足(あし)
駄(だ)草履(ざうり)下駄(げた)籠(かご)筲(いかき)箕(み)水嚢(すいのう)
簣作(かたみつくり)鞢(ゆがけ)弓矢(ゆみや)師 ̄は漆籠(ぬりこめ)重藤(しげどう)
楊弓(やうきう)雀小弓(すゞめこゆみ)矢筒(やづゝ)矢箱(やばこ)胡籙(やなぐゐ)
【13コマ目下段に続く】
【注② ■は「糸+瞿」。字形は「繀」ヵ。物は「綛」ヵ】
【注③ 「捙」は「挿」の誤ヵ。天保刊本は「挿」】
【注④ 振り仮名「かうがい」は、天保刊本参照】
【注⑤ ■は「糸+筈」】