翻刻
【右丁 上段】
よるべからずその内(うち)
文字(もじ)のやまひを
よく弁(わきま)へて書べし
又/書中(しよちう)にかぎら
す惣(そう)じて義理(ぎり)
へんつくり冠(かふり)等の
点畫(てんかく)をよく〳〵
穿鑿(せんさく)して書(かく)べし
真(しん)にて各別(かくべつ)の
字(じ)を草(そう)に畧(りやく)せ
ば混雑(こんざつ)する字(し)も
あるなりこと〴〵く
たゞし覚(おぼ)ゆべし
【左丁 上段】
是(これ)をあらためん
とおもはゝ分毫字(ぶんごうじ)【注①】
語録字義(ごろくじぎ)といふ
書(しよ)ありこれを見(み)て
よく〳〵熟讀(じゆくどく)すべし
【左丁 上段 絵図内】
老(おい)たるも
わかきも
人は
うちばなれ
出(で)すぎものぞと
いはれては
うし
【右丁 下段】
指物(さしもの)細工(さいく)者(は)覃笥(たんす)【箪の誤】長持(ながもち)櫃(ひつ)手箱(てばこ)
檜物師(ひものし)者(は)木具(きぐ)三方(さんぼう)花足(けそく)嶋臺(しまだい)
柄杓(ひしやく)匙笥(かいげ)櫃(へぎ)之(の)類(るい)檜(ひのき)或(あるひは)杦(すぎ)桐(きり)造(つくり)
細工(さいく)尤(もつとも)物数寄(ものずき)奇麗(きれい)恰好(かつこう)専一(せんいち)
之(の)事也(ことなり)鍛工(たんこう)者(は)俗(ぞくに)鍛冶(かぢ)与(と)云(いふ)釼刀(けんとう)
打物作(うちものつくりを)為(なす)_レ 上(じやうと)工【注②】釼(つるぎ)者(は)亀文(すゞやき)漫(みだれ)理湾(やきのたれ)
【左丁 下段】
錵(にえ)匂(にほひ)瑕(きず)錆(さび)帽子(ぼうし)鎬(しのぎ)棟(むね)鋒端(きづさき)
刃渡(やきばわたし)鑠(うねわたし)備(そなへ)挫(へし)鍛(きたへ)束(つかね)銑(せん)透(すき)銘(めい)
中心(なかご)鑢子(やすり)鑽(たがね)利(とき)鈍(にぶき)者(は)監定(めきゝ)有(あり)
鉾(ほこ)薙刀(なぎなた)鏃(やのね)槍(やり)等(とう)迄(まで)打(うつ)也(なり)磨工(とぎし)者(は)麁(あら)
砥(と)中磨(なかど)精磨(うはとぎ)瑩(みがき)之(の)次第(しだい)有(あり)
此外(このほか)薄刃(うすば)出刃(でば)包丁(ほうてう)鋏(はさみ)鑷子(けぬき)
【14コマ目下段に続く】
【注① 「分毫字辨」ヵ】
【注② 異本は、「為(なす)_二 上工(じやうくと)_一」とあり】