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【右丁 上段】
となり此ゆへに筆(ひつ)
道(だう)を臨池(りんち)の《振り仮名:業|き■■》
といふ其昔(そのかみ)崔氏(さいし)
が《振り仮名:肉|■■■■》張氏(ちやうし)が骨(ほね)と
いふこれを兼備(かねそな)へ
し人なり韋沖将(いちうしやう)
といへる人/草聖(さうせふ)と
ほめしとなり
鍾繇(しやうよう)字(あざな)は元常(けんじやう)
少(わか)くして劉勝(りうせう)に
したがひて書(しよ)を
まなふ事/三年(みとせ)に
して終(つひ)に韋誕(いたん)と
【左丁 上段】
いふものに筆法(ひつぼう)を
学(まな)ぶことを乞(こ)ふと
いへども是(これ)をおし
みて与(あた)へさりしかば
すなはち胸(むね)をうち
て血(ち)をはきしを見(み)て
太祖(たいそ)あはれみ五(ご)
霊丹(れいたん)をもつて
これをすくひける
其のち韋誕(いたん)は
鍾繇(しやうよう)ひそかに其
墓(はか)にゆき人を以て
これをあばきて
【19コマ目上段に続く】
【右丁 下段】
名(めうを)申(まうし)賜(たまはり)名人(めいじん)上手(じやうず)器用(きやうの)顕(あらはす)_二名誉(めいよを)_一
事(こと)非(あらず)_二其(その)身計(みばかりの)手柄(てがらに)【一点脱】栄耀(ゑようを)傳(つたふる)に_二【注①】子(し)
孫(そんに)_一徳(とく)廣大(くわうだい)也(なり)旦暮(たんぼ)無(なく)_二油断(ゆだん)_一凝(こらし)_二工(く)
夫(ふうを)_一可(べき)_二励勤(はげみつとむ)_一者(もの)也(なり)扨(さて)商人(あきうど)者(は)諸物(しよぶつを)為(するが)_二
交易(こうゑき)_一家職(かしよく)也(なり)以(もつて)_二帳面(ちやうめんを)_一算盤(そろばんは)左(さ)
右(ゆう)之(の)如(ごとし)_二臣下(しんかの)_一又(また)爲(し)_二昼(ひるは)鑑(かがみと)_一爲(し)_二夜(よるは)枕(まくらと)
【左丁 下段】
毎日(まいにち)之(の)考(かんがへ)_二相場(さうば)与(と)時矦(じこうを)_一【注②】賣買(ばい〳〵の)可(べし)
_レ有(ある)_二駈引(かけひき)_一利潤(りじゆん)者(は)常(つねに)所(ところ)_レ得(うる)故(ゆへ)早(はやく)知(しり)_二
損失(そんしつを)_一廻(めぐらし)_二氣転(きてんを)【一点脱】賣拂(うりはらひ)買入(かひいれ)専一(せんいち)也(なり)
問屋(とひや)者(は)諸國(しよこく)之(の)客方(きやくかた)荷主(にぬしを)不(ず)_レ致(いたさ)_二
疎畧(そりやくに)_一定(さだめ)口銭(こうせん)之(の)外(ほか)賣抜(うりぬき)買〆([か]ひしめ)等(とう)之(の)
謀計(ぼうけい)無(なき)_レ之(これ)様(やう)可(べし)_二相守(あいまもる)_一諸物(しよふつ)直段(ねたん)高(かう)
【19コマ目下段に続く】
【注① 「傳」の下に「に」が有り、訓点が不自然。「に」は衍、又は「傳」の送り仮名ヵ】
【注② 「矦(侯)」は「候(亻+矦)」の誤】