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【見出し】浮世辻うらなひ 古井震賀先生
卯(う)の年の難事(なんじ)あきらかにはらはせ給へ難事(なんじ)が
大勢依_レ ̄ル非_レ常 北震(ほくしん)妙見大ぼさつ
乾元(けん〴〵)高利(かうり)貸(たい) 〃〃〃
おまへさんのはんだんは大地震と云易の夜も
二 更(かう)のへんで火場有(くはちやうう)となるこれにいたつて
あぶなきかたちだが今は大によしいづれ
おまさんはこゝにふらついていては甚よろしからず
しやうばいちうしよ【住所】をかへ二度心を入かへずんば
御とうちにちう居【住居】なりかたし心をあらためて
人をゆすらず家住居をうごかすことなかれ
よく〳〵つゝしみ給ふべし
家 仰(きやう)天の義に付はなはだくろうありしかし
苦(く)はやまいなれば気(きを)つけてよし今ねん十月は
あしく十一月より来(らい)年気づかいなし
方角は北東あしく是大くづし
西南はさはりなし又 騒(そう)をみるにおまへ
さんの相は色くろくひげ甚ながし
これあく相にしてうなぎやなどに
とらへらるゝ時は家破(かば)やきとなるしかればよく用心をして早く
土間こくへかへるがよかろふ依_レ之身の上の吉凶(きつきやう)かくのごとし外に別(へつ)条なし