翻刻
宗あり昔は若山にありて真言宗なりし□中絶し
て其什宝あり明(アキラ)とて御印いたゝき有小刀鍛冶
あり城跡ありしれす今氏神春日の社地になりて
有又飯田川とて若山川ともいへり源は南山村伽藍
村山ゟなかれて弐里余あり飯田の下の町端にて海
へ入也則長三拾八間の橋有此川筋登れは若山の
郷なり所々橋有此往来八太郎越とて鈴屋へ出る也
若山の郷村々多し
ある日飯田の市にいろ〳〵
市のめの津んさき喰ふわかめ哉
此山手に広栗村といふに定広とて平氏の筋とて有
隣村の鈴内村といふに定広の宮とて有日宮村と
いふに大王といふ百姓あり昌樹寺とて臨西の禅宗有
又出田村といふに獺越坂とて有是は獺の越ゆるを
見て付し新道也此村に惣六とて百姓の家に
蓮如上人の書物多く抔伝へり経太村近し古戸
志彦の神社立給ふ近郷の宗社にて大社也神主
此也拾丁斗奥山に鞍掛とて神木の桜あり