翻刻
清き心も猶そしくらん
又此村に昔女の流浪ありて宿かり給ふに其家
若き男ありて亭の口より覗しに官女見て
沖波の立つとはすれと寄もせす
とありけれは若き男かくなん
東(コチ)といふ風いまた吹かねは
といひけれはかの男官女と契り浅からすなりしと
所に言伝へり又此諸橋に七不思義とて有土を穿て
は神代器物平賀といふ物出る也槻木に榎の実
生する也諸橋 菊(キク)とて水仙原有石上に毎夜火燈
る候也天句の爪研石あり金声石有動着石あり
是を諸橋の七不思義といふ金声石は打は鐘の音す
る石也甲村近きに弐つ家有其礒にあり動着石は
其辺也大石なれ共指にてさわれは動く也又九月
頃ゟ一偏に野山も水仙の花咲也少し常の水仙と
はしべにかわり有諸橋菊と言