翻刻
由御礼有しかハ同五日御上屋敷より善五郎御召出し在て当座の
御褒美金百両猶又永代十五人扶持にて御作事方頭取役被仰
付けり夫此度の異変ハ一統の難渋にして誰か利益のものあらん
然るに此善五郎等ハ此志す所至直にして俗に云気の《ルビ:利|きゝ》たる
にて此善五郎参らされハ三ケ所より火起りていかなる災害あらん
も量りがたく善事に善報あり悪事に凶報あり天地の照覧
明らかなるかな人間の浮沈ハ皆其人の心中に有といふへし
一今度の地震にて横死の人民多き趣天災とハ申なから不便に
思召につき十一月二日より左の寺院におひて施餓鬼修行仰
付られ候なり
一天台 東叡山学頭 凌雲院前大僧正
一浄土 本所 回向院
一古義真言芝二本榎 西南院
高野山学侶方在番
一古義真言白銀臺町 圓満院
高野山行人方在番
一新義真言浅草 大護院
御蔵前
一済家 品川 東海寺
一曹洞 愛宕下 青松寺
一黄檗 本所五ツ目 羅漢寺