翻刻
一法華一致 下谷 宗延寺
一法華勝劣 浅草 慶印寺
一西本願寺拭所 與楽寺
築地輪番
一東本願寺拭所 遠慶寺
浅草輪番
一時宗浅草 洞雲院
日輪寺院代
いやたかき妙の御法に浮雲のまよひをはらす鷲の山風
五大葊可一
一予か友村山源兵衛ハ中村座の板元にして瀬戸物町の家ハ前
年類焼し今橋場に住めり一丁目の用事済帰宅して茶を
呑んと火鉢の辺へ安座するにコハ怪しや行燈二尺ばかり飛上り
何事成と思ふうち建屋にびしやりと押伏られたり暫伺居て
闇より表の障子見へしかハ此所より母と妻を救出し畳戸障
子を運ひ出し寒気を凌く用備をするうち母の日怪しき哉
俄に此前に大河できたりといふに源兵衛辺りを見るに実にも
大河を眼前に見る事ハ東側の軒並ひハ皆潰れ落て土手を
築たる如くされハ目の前見へすき角田川を手近く見ゆる様成
たるより今の地震の大きなるを始て母子共にさとりて深く驚
きし也都て今度の地震にて何処ハあれ共此橋場より浅草吉
原の辺りハ他に勝れたる動揺にて右のごとく崩れたるにて知る