翻刻
薄着お釜の前の三助なんざアまつ裸でかなてこや靏【鶴の異体字】ツば
しをおんがくかいてあつちこつちかつほぢくれば小部屋の隅
からおさんどんがでつかいけつをむくりやイヤむつくり這出した
見舞に来たおかやなんどてゝの椀に五六杯もかいくらつてひ
よつくり〳〵まいる騒動起した鯰なんぞハふんじばつて鹿
嶋へ参る是からハつづいて能ひこと計参るお客なんざアあさから
晩迄引切なしに参るあつちから此方(こつち)からも小判や小粒か参る
廓千軒金ハ百両の御受納
安政|二雨辰各古麻(ヂシンヲノ〳〵コマル)る
大 火
大がいつふれの方 此方ニのかれて 万よし 但火をださす
大しやうぶ山の方 ばすへまて あきたな ふさかり
大おんたすけの方 此方ニむかひて おんを かへす
ざいほうくらの方 むかひて目をかけず
かりたく あき内方 ミまゝの間 万よし 金人 寝よし どうたつ むま ひつし 凡五百日の間
さいはひしよくの方 むかひて まわたゝし せず
たいせつひけしの方 此かた けしくち とらす
へうたんなまづの方 むかひていへ ミじめ 見し
ほうびきんの方 むかひて 小便セす かねくそを たれる
あやうき いのちを たすかり しハ かりたくの はんじやうハ ちとけん ひきな
正 四
ぢきの かうべと やら しゅく の ひま
おすくひ お手あて そのほかに まだ いつくの はても やしろの 無事ハ
六 八
ケ所に たつ お小屋 百番神
おれたハ やなかの 天王寺 二日の ばんから 時々ふるひ
九 十
りんの まわりハ きんりう山 月末まで 大ていのしく
ちしんが 火事ても 町々ハ ことし
十二
たち そろひて 元の江戸
こんどの ちしんの ゆりはしめハ 十月の とそに ことしと 猿若町
二 三
日の夜の よつを うつと 座のやくらハ 焼ちかく
あハれハ 実に しんよし 原 ふるふた うへに 火事と なり
五 七
ちゆうの やけハ 十一年目 もつやかぬ 家も なし
十月三日を はしめとし たいてい 来年
十一
日もやすミの ない大工 しごとし
庚申 このそうどう のなかにても おやをたすけ その身もたす かりしかうしんあり
甲子 きのねは ざいもく屋 にてひき上ケ いたつて高 直きなり
己巳 かりたくの女郎ハお客と 見うけさるゝと □あけと三ツを 待シまち也
天シヤ日 まち〳〵いち にんべつの者へ 御すくひ米を くだしおかるゝハ これてんしや也
【次頁にスペースがないようですので続きをここに翻刻します】
十方クラシ ちしんゆるといなや家ハたをれつちけふりたち人々とほうにくれたるを云
八セン 十六文の薬やはやりハセんのゆや早仕舞也尤古木を多くかひこむ
天一天上 いつかたも家かたむきかべやぶれかハらおち屋根なくして天一を天井とす
神午 毛たもとゟ出ル
ひかん さけとくりのまゝあためる
社日 えんにちなしあき人困る
丁中七ヤ とうぶん休ミ
入梅 むろくづるゝ
半化粧 おしろいはける
二百十日 ゟおそろしい
当時 のしゆくおほし
賞かん にごりざけ
土用 土蔵のくつれ土をねりなほす寺々のあなほり金まうけあるどてつち大いにわれる
やけつちにてきんへんミちぶしん
十月二日月夜のことく 夜四時ヨリゆりたし出火はじまり三十七ヶ所もえたつ翌三日朝やう〳〵
やけしづまる
十一月二日日中ひる飯 朝四時ヨリ寺にてせがきくようはじまり八時甚しくさんけいあり夕七時
おわる
ヂイン 天台浅草寺 セン宗青松寺 門トハ東本願寺
浄土回向院 同東海寺 同西ほんがんし
真こん高野寺 日蓮宗派 ゆきやう宗
同 同白含たんほけいうんし 反甫日りん寺
同 蔵前八幡 下谷宗延寺
【円形の図】
西 小石川御門 北 さらもと 東 いし原 南 仲丁通
小川町 寺まち ほうおん寺はし れいかん嶋
丸の内 よし原さる若町 たて川 てつほうす
廣小路 今戸はしハ いセ崎町 中はし
京橋
西 池之端茅町
北 千住小塚原
東 亀戸扇橋深川
南 川芝柴井町
焼場方角