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コレクション: STAGE3

安政風聞集 上中下 全 - 翻刻

安政風聞集 上中下 全 - ページ 33

ページ: 33

翻刻

末寺(まつじ)并 淨心寺(じやうしんじ)地中大ひ損ず是より寺町辺ハ只(たゞ)さへ最(いと)も物(もの)の匂(にほ)ひ悪臭(わるくさ) く思ハるゝに犬猫(いぬねこ)の溺死骸流(できしがいなが)れ集(あつま)り肉腐(にくたゞ)れ水引(ミづひき)き日を経(ふ)るにしたがひて 臭気鼻(しうきはな)を穿(うが)ちしよしなり猿江浦辺大工町悉(さるえうらべだいくちやうこと〴〵)く大破し永代橋向ふ 佐賀(さが)町辺諸方そんじ仲町辺遊女屋 仮宅佐(かりたくさ)の槌屋(つちや)大の字屋大潰れその 外も壁(かべ)を抜(ぬき)屋根をこぼち家 傾(かたふ)き悉(こと〴〵)く大破す八幡宮境内相州江(はちまんぐうきやうないさうしうえ)の嶋(しま) 弁才天開帳場仮屋(べんざいてんかいちやうばかりや)并に奉納物見(ほうのうものミ)せもの小屋悉く倒(たふ)れまた流失(りうしつ)なす 弁才天 御厨子(をづし)ハ八幡宮の本殿(ほんでん)に移(うつ)し奉る境内(きやうない)の橋(はし)一ヶ所落流れる 新地 蛤(はまくり)町潰れ家多く木場土橋入船(きばどばしいりふね)丁 此辺高汐(このへんたかしほ)に流(なが)され風に潰れ 悉く大破す砂崎弁天境内掛茶屋(すさきべんてんきやうないかけぢやゝ)悉く吹(ふき)ちり大木(たいごく)の松倒(まつたふ)れる門(もん) 前(ぜん)の橋(はし)落て流れる川端(かハばた)の家悉く潰れ所々大破す  ◯此頃何人の作(さく)にや風向のさまを口説(くどき)とやらんいへる唄(うた)に綴(つゞ)りたる  文句(もんく)の中(なか)に  「ふかきふかがハひらいちめんに。かぜとみづとになかるゝひとハ。くるしさが町(ちやう)たすける人(ひと)を。まつが丁(ちやう)とてもした丁に。しげるえだハミなふきをれ  て。いへのくづれハおほしま丁よ。うミのなか丁どばしハおちて。おもてやぐ  らやとぶうらやぐら。はなのくるわのべんてんさまも。こゝをおたびのかりたく  ずまひ。たまのかいちやうかひなきしまつ。ミづのふかさハ六尺(ろくしやく)やしき。はまるくびたけ  みをうちこんで。くらもすミかもきばざいもくも。なおいてわかれのはちまん  がねの。おともむじやうのつきだしんち。あとハすさきとながほりまいよ。  ながい寿命(じゆミやう)のかめひさ丁に。よハひかさねるまんねん丁も。ミだのじやうど  のにしなが丁。いくよばしとハありあけばしに。きゆるともしびへる油(あぶら)