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コレクション: STAGE3

安政風聞集 上中下 全 - 翻刻

安政風聞集 上中下 全 - ページ 38

ページ: 38

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 に愛(あい)せらるゝといふ  ◯ 丸山辺(まるやまへん)の人なるが屋根(やね)をめくられ雨戸を吹破(ふきやぶ)られいかんとも詮方(せんかた)二無(な)  けれバ濡(ぬれ)そぼたれて座(ざ)し居(ゐ)たるに南の方より大きさ茶碗程(ちやわんほど)なる  玉飛(たまとび)来り北をさして行事三度其 光(ひかり)り青(あを)く赤(あか)く勢(いきほ)ひ又すさまじく  何といふ事をしらず夫より前(まへ)に雷鳴(らいなり)たる時も彼 雷光頻(いなびかりしき)りにほど  ばしり出たれどそれとハ大に異(こと)なり下より上へ飛たりといふ怪(あや)しむべし ◯ 湯嶋(ゆしま)は切通(きりどほ)し下 中町(なかてう)より続(つゝ)き格別(かくべつ)のそんじなし同所天神 社内別当(しやないべつとう) 所神楽宮微塵(しよかぐらどうミぢん)に潰れたり其餘銅鳥居目方(そのよあかゞねとりゐめかた)五百貫三百貫余あるといふ 土台(どだい)の盤石(ばんじやく)をともに倒れ三段(ミきだ)に成て散乱(さんらん)す翌朝(よくちやう)見る人 膽(きも)を冷(ひや)せり 斯(かゝ)る中(なか)に却(かへつ)て男坂(おをとこざか)の石(いし)の鳥居(とりゐ)ハ地震(ぢしん)にて少し傾(かたふ)きたるまゝ別条(べつでう)なし社 内 芝居小屋揚弓場茶屋(しばゐこやゆうきうばちやゝ)悉く潰れ残るハいづれも破損せり同門前三(ミ) 組町(くみまち)おかご丁かすがひ町 西裏手覚元前新町屋(にしうらてかくじんまへしんまちや)はたけ近辺(きんへん)小屋敷悉く そんじ又潰家も少々あり妻恋(つまごひ)町 入口木戸際嶋田弥学(いりくちきどぎハしまだやかく)どの裏(うら)門長屋 少々潰れ表門大ひに傾き稲荷社(いなりやしろ)少々破損し町屋一軒(いつけん)潰れ余ハ過半破 損せり都(すべ)而 此辺(このへん)ハ南面の高地(たかち)なるゆへ風雨の当り荒(あら)くして地震の砌(ミぎり)より そんじ多く今一ト吹(ふき)長く吹(ふか)バ一軒も残らず吹倒(ふきたふ)さるべかりしなり ◯ 外満田昌平橋通(そとかんだしやうへいばしどほ)りハ妻恋坂下武家地(つまごひさかしたぶけ)何れも格別のそんじなし 同所 同盟(どうばう)町 御台所(おだひどころ)町 裏店(うらだな)潰家あり表長屋も二三軒崩れたり旅(はた) 篭(ご)町 金沢(かなざハ)町 過半(くわはん)そんじ外神田 一円(いちゑん)は格別(かくべつ)の損亡(そんぼう)なしといへども地震の 砌残りたる家々ハ潰れたる所多く破損もあり尤東南 向(むき)の家ハあたりつよ かりしといへり昌平橋(しやうへいばし)の其夜川上より薪材木竹板類流(たきゞざいもくたけきいたるいなが)れ来り夜明て 後まで水筋止(ミづすじとま)る聖堂廻(せいどうまハ)り屋敷所々(やしきしよ〳〵)そんじ本郷通(ほんごうどほり)より北 横町(よこちやう)小屋敷横