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コレクション: STAGE3

安政風聞集 上中下 全 - 翻刻

安政風聞集 上中下 全 - ページ 42

ページ: 42

翻刻

主殿(とのも)矦長屋過半崩れ牧野(まきの)矦表門并長屋両側倒れる土井(どゐ)矦長屋 一ト棟くづれ日比谷(ひゞ)御門 外(そと)にてハ鍋嶋(なべしま)矦長屋過半崩れ阿部(あべ)矦 通用(つうよう)門 より左右長屋悉く崩れ秋田(あきた)矦崩れ薩州(さつしう)矦 装束(しやうぞく)屋敷長屋ミな 崩れ虎(とら)の御門内 亀井(かめゐ)矦御殿 二階(にかい)なかバ崩れ落る西尾(にしを)矦表門一棟 崩れ相馬(さうま)矦表門玄関崩れる上杉(うへすぎ)矦長屋くづれ霞(かすミ)ヶ関御守殿片側(せきごしゆでんかたがハ)損 じ赤坂(あかさか)御門内 雲州(うんしう)矦長屋片側そんじ渡邊(わたなべ)矦同断 三軒家辺(さんげんやへん)小屋敷 悉くそんじ平川天神裏通(ひらかハてんじんうらどほ)り町家大半潰れ桜田(さくらだ)御門内より馬場先(ばゝさき) 和田倉(わだぐら)御門辺までの間大木ぬけたほるゝ事凡六十八本余也西丸下ハ堀田(ほつた) 矦屋敷過半潰れ遠藤(ゑんどう)矦屋敷 大破会津(たいはあいづ)矦向屋敷共大半崩るゝ ◯又 神田橋(かんだばし)御門外ハ御勘定(ごかんじやう)屋敷表長屋崩れ本多(ほんだ)矦裏長屋半分倒 れる夫より駿河台(するがだい)ハ稲葉(いなば)矦 土屋(ちちや)矦東の方 土井戸田酒井若州(どゐとださかゐじやくしう)矦所々そんじ 有之夫より上(あが)り台(だい)に至りてハ小屋敷数多吹倒さる此処等(こゝら)ハ先年地震(せんねんぢしん)之砌(みぎり) 大きに輕(かろ)かりけれども此度(こんど)ハ風当外より強(つよ)く床下(ゆかした)より風吹込(かぜふきこ)ミ畳(たゝミ)を吹上(ふきあげ)たる 家もありて大きに難義(なんぎ)に及びしなり  ◯予が友(とも)竹葉舎金瓶子ハ神田橋 平岡家(ひらおかけ)の藩(はん)なるが生質物(せいしつもの)に動(どう)ぜず  事有時ハ平日(へいじつ)の動静(ふるまひ)に似(に)ず落付(おちつき)て他(た)の目(め)より見る時ハ転動餘(てんどうあま)りに甚(はなはだ)  しくて途方(とはう)を失(うしな)ふものゝ如し是までも丸山火事(まるやまくわじ)又其 次(つぎ)ハ連雀町(れんじやくちやう)の出火  の節ハ向ふ屋敷 本多(ほんだ)矦の焼落(やけおつ)るを見(ミ)ながらも風並(かざなミ)よしとて家財一物(かざいいちもつ)も  動(うご)かさず地震(ぢしん)の時逃出(ときにげいだ)さず安座(あんざ)して在(あり)しよし斯(かゝ)る怠惰(たいだ)の男(をとこ)なれバ  彼の風の夜も落着(おちつき)はらひ只外(たゞそと)の音(おと)を観(うかが)ふに瓦(かハら)の落(おつ)る音(おと)のミにて外(ほか)  に倒るゝ 物(もの)の音(おと)は更(さら)に耳(みゝ)にハ入(い)らざりしが夜明て見れハ筋向(すぢむか)ふ本多 の屋敷潰れて居(ゐ)たりと訪(とふら)ふときに咄(はな)されしが斯(かゝ)る唖方(あはう)に落着(おちつき)たる