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翻刻
極め戸田左門方にて何も寄合里然処に榊原
飛騨守同左衛門佐は跡に残り出丸江仕寄際
江行家類を呼一手を備同日申之刻出丸に乗
込然る尓敵四五人斗り見江ける歟二之丸江
逃込り二之丸塀際に敵数百人尓て防かんと
すかゝる所に出丸与二之丸之間に大き成る
小屋有りける左右ゟ火を放つ折節風烈敷火
煙敵陣に吹かく連は煙に無せんて防かんと
する尓便り無し味方ゟ此煙を見て春巳や魁
兵之味方火を懸多るは迚諸勢我先に与込入
希る飛騨守出丸を乗取爰に而相支へきと思
ふ所に味方之諸勢込入により本丸蓮池の際
迄切入り鍋島勢も相続而入小屋に火を放つ
坂井内蔵丞も一方之火之手を揚る此内蔵丞
飛騨守父子に相続無比類働く
耶蘇制罸記朱書入曰原之城一番乗榊原父子之
由本文に有り両人之様に申たる也定而御旗
本ゟ出丸迄者一番に這入たる与云事にや出
丸を明け退たるは其隠連なし寅二月廿七日
朝鍋島勝茂ゟ信綱氏鉄江使者を以二之丸出