翻刻
述(のぶ)る所(ところ)を良(りやう)とす
釜(かま)に水(みづ)を湛(たヽ)へてこれを煮(に)て沸(ふつ)するに至(いた)り
肉(にく)を截(きつ)て小片(せうへん)とし毎片(まいへん)重量(ちようりやう)和蘭(わらん)の十二(じふに)ロ
ード《割書:凡(およそ)我(わが)三百十九(さんひやくじふく)|匁(もんめ)にあたる》と為(な)し熱湯(ねつたう)に投(とう)じて煮(に)
ること一(いち)二(に)分時(ぶんじ)にしてこれを取(と)り直(たヾち)にこ
れを盤(はん)に盛(も)りて温(あたヽ)めたる燥室(さうしつ)に置(お)く其(その)室(しつ)
の熱度(ねつど)は施氏(せし)の五十度(ごじふど)を踰(こ)へしむべから
ず次(つぎ)に又(また)其(その)湯中(たうちう)に新(あらた)なる者(もの)を投(とう)じ又(また)これ
を燥室(さうしつ)に移(うつ)し此(かく)の如(こど)く陸続(りくぞく)これを煮(に)て其(その)
湯(たう)稠厚(てうこう)の肉汁(にくじふ)に変(へん)ずるに至(いた)る已(すで)に肉(にく)を投(とう)
し尽(つく)して後(のち)更(さら)にこれを煎熬(せんがう)蒸騰(じようとう)して其(その)稠(てう)
厚(こう)の極度(きよくど)に至(いた)るこれこれを試(こ〱ろ)むるは少許(せうきよ)
の肉汁(にくじふ)を冷定(れいてい)せる器上(きしやう)に滴(てき)して其(その)汁(じふ)速(すみやか)に
凝(こり)て糜状(びぢやう)を為(な)すに至(いたり)て止(や)む燥室(さうしつ)に於(おい)て乾(かはか)
す所(ところ)の肉(にく)二日(ににち)を経(ふ)れば其(その)肉(にく)全(まつた)く乾燥(かんさう)す此(この)
時(とき)再(ふた〱)び肉汁(にくじふ)を温(あたヽ)めてこれを溶解(ようかい)せしめ各(かく)
個(こ)の肉片(にくへん)を各々(かく〳〵)に汁中(じふちう)に投(とう)じ出(いた)して又(また)こ
れを乾(かはか)すときは肉片(にくへん)の外面(ぐはいめん)恰(あたか)も光沢(くわうたく)漆(しつ)の