翻刻
【右丁】
寛政五
【左丁】
序
古(ふる)きを以(もつ)て新玉(あらたま)の春(はる)狂言(きやうげん)曽我(そか)の趣向(しゆかう)も。
亦(また)久(ひさ)しい文選(もんぜん)の鴬(うくひす)は。做(なら)はぬ戯作(けさく)を仕(し)ならひ。
智者(ちしや)の辺(ほとり)の童(わらんべ)の。翫(もてあそひ)とせん事(こと)。其(その)頬(つら)の皮(かは)の厚(あつさ)は。
千牧張(せんまいばり)の凧(たこ)に等(ひと)しく其(その)圧(おし)の強(つよ)きは。破魔弓(はまゆみ)の
弦(つる)に似(に)たり。されど引(ひく)にひかれぬ。矢先(やさき)の光陰(くはうゐん)
甘泉堂(かんせんだう)が楯催足(たてざいそく)。需(もとめ)に応(をう)して与之(これをあたふる)は。是(これ)を的(まとう)の
秀句(ぢぐち)にして。あたる不中(あたらざる)は。旹(とき)の運(うん)か希(こひねがわく)は《割書:アタリ引|》
題 芝 全 交