能登半島の資料を翻刻!

コレクション: SHOSHO「能登」

能登名跡誌 - 翻刻

能登名跡誌 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

     高枩の駅になれははや秋の日のな      らひにて西の方のあか〳〵とする津也   しなてるや蜩に啼し庄屋か軒 又宝達山は国の南に有誠に三州へ跨(マタカ)れる大山にて 過半の州也誠に此山は薬草金銀其外産物 多き山なれは宝達の名あり宝達村は西平に あり家数八十軒計町作たる村也中比金を掘 し比所々より来り集りしゆへ出所を人々家名に 呼ふ有中にも谷内屋といふものは根元の者にて 今用ゆる所の大釜は末森の城の釜なりしといへり 其外此者の家に武器の類取伝へり銀を掘し比 繁昌して家数も多く有しよし其時金を 掘し所は谷内にあり金山敷潰れし時人多く死 したる故とも雨の夜は人多して泪くこゑ するゆへ今泪谷といふ惣して人多く死せし 古戦場抔に所々有魂魄のこりて天曇に陰陽 気せまり蒸て声有野火燐火抔の不思義ある 事なり又方宝達の御前といふは村より壱里登る