翻刻
なり千束姫の神社立給ふ式内の神社也権現本社
は釈迦女来といふ祭礼は毎年八月廿六日廿七日高山の
絶頂にあれは常に風あらき故に社の廻り土手を
築崖にあり又此御前の北に当て陰陽の瀧とて
不思義成瀧有瀧口二ッになりて有 雄(ヲ)瀧といふは
銚子口より水落て一月の中上十五日水落て越中
氷見の庄小米川等の源なり雌瀧は下十五日洞口ゟ
水落て能州子浦川の源なり寔に希代の不思
義の瀧也其上此辺は山深く清静の地にして
折々天人あまくたり遊ふ事有と所に言伝へり又
此辺に能き髪刺砥出る所あり御留山にて伐出す
事ならす春の比は猿か馬場又朝日姫ヶ谷抔とて
面白き所々数多あり蕨■■せんまいの名物なり
此宝達境を押水大海の庄押水北の庄押水中の
庄とて村々多し是を押水三郷といへり此処を
押水といへるは紺屋町村といふに昔弘法大師与へ
給ふ水有杖にて岩を押給へは水出しより押水
の井といへり是を以押水の名有又此村に岡部の