翻刻
之内何れも配分す桜井大宮司は一国の神主の触
頭の録所なり長福院は四ヶ寺の首領也此寺の
露地は利常公御逗留有て作らせられしとて見
事なり又当社宝物数多有中にも満汐珠あり是は
種々奇瑞有し霊珠也頼朝卿奉納の太刀一振梶
原の太刀一振あり其外宝物多しわけて崇神
天皇より代々勅使ありて綸旨院宣百数通あり
是は大宮司鍵預にてたのみて拝見有へし
昔時泰澄大師川越の堂に籠りて天照太神
宮を拝み奉らんと誓ひし有夜夢相の御詠哥に
恋(コヒ)布(シク)者(ハ)尋(タツね)天(テ)毛(モ)見(ミ)與(ヨ)能登(ノト)一宮(イチノミヤ)之(ノ)奥之(オクノ)社(ヤシロ)江(エ)
許御告有によつて去師此社へ詣給ふに御神体
山伏姿にあらわれ即誓て曰天照太神を信すへ
くは先我を信すへくとて神隠れ給ふ其古礼
今に残りて色々古式あり毎年三月四日ゟ石
動山衆徒六人来て中門殿におゐて七日の別齋
あり神前に斧まさかり抔を持舞曲をなし
護摩を焼て奥の社へかける也是を採燈の