翻刻
といへり一宮と瀧村境に瀧有昔山茂り大木ありて
余程の瀧なり依て瀧村の名あり此瀧の不動尊
は泰澄大師の作にて霊給あり今は瀧村の
氏神となり社有瀧名とて真石の水晶の帯有
石礎抔に能き名石也瀧村は海へ指出る所にて昔
瀧の津とて繁昌の所にて此辺の津なりし
とて一宮の勅使の御宿抔せし者の筋とて四位
と云者あり今は一村釣を業としてあさまなるこ
となり釣鯉の名物也昔一宮勅使に中納言家持卿
御下りの時の哥とて
越路野をさし出見れはおふちかた
気多かく見ゆる瀧津瀬の宿
越路野は千路の潟の北平にあり潟の南東方を
大路の里といへり七十五ヶ村をさしいふ也是は飯山の
所に書記しあり又家持の哥に
都よりおもひ越路の弁の津に
一夜のうちに雪はふりつゝ
竹の津といふは今の野村辺大竹薮にて有し