翻刻
といへり
又芝垣村は一ノ宮より往来拾四五町にあり茶屋助左衛門
とて古百姓有昔芝原将監といひし郷士ありしとて
廓跡は南の山にあり館中将監ともいへり至希
富貴にして仏神信仰の人なり色々奇得あり
て常は山水の風景を好み領内に江近は景をう
つし又は内外のい勢の神垣勧受せし処とて
東の山中に所々あり此礒三町計沖に長川嶋とて
風景の嶌有て今は七面明神の堂あり江州
うきみ堂の風景のよし本尊七面御神躰此海
より揚給ふ石躰にて寄【奇か?】瑞あり則村に本成寺とて
法花宗有支配也又芝原将監は瀧谷妙成寺開基
旦那にて法名法光日恵大居士と号して瀧谷開
山堂に位牌等あり則妙成寺開山日乗上人の伯父にて
上人は此家にて御出生の由又瀧谷は此芝垣村ゟ
山手へ入なり拾町余あり一ノ宮より弐拾五丁余有
瀧谷村は不残妙成寺の地領也