翻刻
金栄山妙成寺は羽喰郡土田庄瀧谷村にあり
法花宗にて永仁年中日像上人の開基の御寺
にて北陸道第一の一寺の法花の道場たり寺領
百弐十石余中興黄門利常公御母公寿福院殿御
菩提所にして諸堂御建立ありて組物彫物等手
を尽し法花七堂伽藍作にて言語にも断し
たる御寺なり中にも番匠の名人山上何某の作
れる名物の五重の塔有寺中に七坊の棟をならへ
其外末院処々におふき大地の御寺也又宝物数
多あり中にも日蓮上人日朗上人日像上人三幅対
の曼荼羅伝教大師真筆の真経一巻水晶の塔に
入てありこう弘法大師咋木の桜にて彫し給ふ法花
経の板木六部り是は若木山法住寺の什宝なり
しに今此寺あり事伝言謂あり兆典司画る涅槃絵
一軸是も一ノ宮の什宝のよし菅相丞公の御筆の一軸
利長公御直筆の当寺境内陣取の絵図の一軸其外
宝物多し略すいつれも常は宝蔵に入開帳あた
はす又隠倉の時奉行青袛相兵衛寺伝の定書