翻刻
就には見ゆるといへり又梨谷小山村に阿良加志彦
の神社立給ふ御神躰は大石にていつれの御像石
にやしれす又釈迦堂村の氏宮は御神躰丈六の
釈迦如《見せ消ち:成|来》なり則社地は大寺の跡なりしとて
礎に残りあり又直海村といふには瀬戸彦神社
立給ふ又仏木村は山中にあり元は仏切村といへり
是は《見せ消ち:俄|峨》山和尚の御弟子梅山禅師此所にて盗
賊にあひ給ひし時寺仏の観世音身代わりに立
給ひしゆへなり越前国松尾の龍沢寺は此梅山和
尚の開基のおさくといふ大蛇を化尊ありし縁起
等に委くあり
又福野の潟は壱里に弐里余の昔潟なりしに今は
館村館開村抔とて村多くあり館村廓跡あり
城主土田何某のよし福野干瓢とて多此
辺にて出来して所々え出るなり
弥生の頃此潟辺りをふ風来せしに
逍遥もすへき所なく唯渺々たる