翻刻
又福浦村は北国の間所に夏中数百艘の船不
絶家数百軒計有て船問屋抔はんしやうたり
大間の外に水の間とてあり何れも間の縁
に家居して有浄土真宗弐ヶ寺あり是にも
間の上崎に灯明堂ありて此辺面白き所なり
又水の間とてあり不_レ見の間と書よしあらわ
に見へぬゆへなり高【寺?】に盗人穴とて有又少し行は
鷹巣嶌とてあり岨敷小嶋也礒に瀧有鷹
巣の不動とて霊像あり此所は昔 目納(メノウ)左衛門とて
郷士住し跡ありしに岸崩て名のみ残れり
此浜を錦の濱とて小貝抔交り美敷砂あり
壁抔にぬりてよし又牛下村も続きなり礒に
機具石とて有其形ちさなから織機具にて
わさ〳〵石工の作とも是程にはありへからす
其上浪の寄るありさま此辺り云語にも
断したる所なり
織姫のたてしや磯のはた具岩
あやおりかくる浪のかす〳〵