翻刻
又少し行は産神村とてあり此村に産神の
宮産神の池とて有昔此所にて源九郎義
経の妻の難産ありしに行末産婦を守らん
と誓ひありしより此一村産婦腹帯せすさんに
昔より危はなし本地不動明王也前なる川
にてい石を拾ひ池へ代に入れ池の石を取揚け
懐中あれは一向産に危なし
祈りつゝ恵みにあふく産神の
守の石をひろふ人〳〵
此村の肝煎久右衛門と云者気質清直にして到
孝の者にて安永年中御聴に達三人扶持に
永代諸役御免にて近郷の者是を見習ふへ
しとて御触ありかゝる辺土にかよふなる志し
希代の事なり
又留木の上の入口に七海の荒木とて山岨へて
海へ指出たる所あり此風景山のかたち海辺の
岩側砂川のあさせ岩間を潜る有様蛙(蛭)岩異